批評
1.今日は、スガ秀美が編集した本『1968』(作品社、2005)に載っている座談会「「一九六八年」とはなんだった/何であるのか」で蓮實重彦が話した内容の一部を引用することにしたい。 ポストモダンのシニシズムにつける薬はないと思います。好きなよう…
「超近代」が要求する自己反省の強度に、人間は耐えうるか? 最近読んだ佐藤俊樹の『ノイマンの夢・近代の欲望』を本棚に仕舞い込むのが、どうしてか心残りで、無意識の命令に従い、軽く読み返した。そして、最後の章の「超(ハイパー)近代」に関する内容を読…
1 山口昌男の『文化と両義性』は境界、異者などが秩序と混沌を仲介して、秩序を活性化させるという主張の繰り返しで構成されている。僕の見解では、秩序が、自立的かつ内的に積み重ねられていく秩序内の問題群に、もはや耐えられない状態に陥ったとき、この…
小品種大量生産が主導したフォーディズムの時代は、一見これは変な話なのだが、つねにあたらしさを追求し、反復を嫌ったモダニズムの時代と重なる。現実の生活は似ているもの、または全く同じものの反復によって構成されていたが、芸術の世界はその対極、即…